【衝撃】O’Reillyから消える「翻訳者」の名前。AI翻訳時代の悲しい現実と希望

みなさん、こんにちは。日々、新しい技術の波に揉まれながら生きる私たちにとって、「AIが人間の仕事を奪う」という話は、もはや他人事ではありませんよね。

特に、私たちブロガーやライター、そして翻訳者といった「言葉」を扱う仕事をしている人にとっては、AIの進化は脅威でもあり、新しい可能性でもあります。

そんな中、技術書の出版社として絶大な信頼を誇るオライリー・ジャパンから、衝撃的な変化が見られました。

今月発売される

『実践 LLMアプリケーション開発』

『生成AI時代の価値のつくりかた』

いずれも時代の最先端をいく、ワクワクするようなテーマの本です。

しかし、これらの本には過去のオライリー本にはなかった、ある共通点がありました。

それは…「翻訳者」のクレジットが「オライリー・ジャパン編集部」となっていること。

正直、これを見た瞬間、私は「ついにこの日が来たか…」と、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような、複雑な気持ちになりました。

なぜ、「翻訳者」が消えたのか?

オライリー・ジャパンの親会社であるO’Reilly本家では、すでにAIを活用した翻訳が導入されています。

もはや、出版前の本でも日本語訳が読める時代。

今回の「翻訳者:オライリー・ジャパン編集部」というクレジットは、AIが翻訳した原稿を、編集部が最終的にチェックして仕上げていることを示唆しているのでしょう。

もちろん、AIが完璧な翻訳をしてくれるわけではありません。人間の編集者や監訳者が、最終的な品質を担保しているのは間違いありません。

しかし、これまで本に「自分の名前」が刻まれることを誇りにしてきた翻訳者たちの姿が、ここにきて「編集部」という大きな括りに吸収されていく。

この事実は、「人間の翻訳」が、もはや個人のスキルではなく、AIを活用した「編集プロセス」の一部になりつつあることを物語っています。

AIは本当に人間の仕事を奪うのか?

AIが人間の雇用を奪うのか?この問いには、簡単な答えはありません。

翻訳家のブライアン・マーチャントや、WIREDの記事でもこのテーマは議論されています。

意外なことに、WIREDの記事「AIは若年労働者の雇用を奪っている」には、**「翻訳業のようにAIの影響を受けそうに見える分野では、むしろ雇用が増加している」**という記述がありました。

これは、AIが「翻訳」という作業を効率化してくれる一方で、**「より多くの言語コンテンツが必要とされる」**という、新たな需要を生み出しているからかもしれません。

AIは、単純な作業を肩代わりし、人間はより創造的な、AIにはできない「価値」を生み出すことに集中できるようになる。

そう、AIは私たちの「ライバル」ではなく、私たちの「相棒」になっていくのかもしれないのです。

それでも、心に残る「人間の翻訳」

私自身、かつて「翻訳者」として活動していましたが、今は「雑文書き」を名乗ることが多くなりました。

だから、今回のオライリー・ジャパンの変化に、個人的な「脅威」は感じていません。

それでも、心に去来するのは**「もうすぐ消滅するという人間の翻訳について」**という言葉です。

それは、ただのテキストの置き換えではない、その人の人生、文化、そして感情が込められた「翻訳」のこと。

オライリー・ジャパンの決断は、時代の流れであり、決して批判されるべきことではありません。

ただ、ふと立ち止まって、この変化の先に何があるのか、私たちはどこへ向かっているのか、静かに考えてみる必要があるのかもしれません。

AIがどれだけ進化しても、読者の心を揺さぶり、共感を生み出すのは、やはり「人間らしさ」が宿った言葉だと私は信じています。

AIと人間が手を取り合い、新しい時代のコンテンツを創造していく。そんな希望もまた、今回のオライリー本から見えてくるのです。

実践 LLMアプリケーション開発 ―プロトタイプを脱却し、実用的な実装に迫るための包括的な手引き

生成AI時代の価値のつくりかた ―実践者のマインド、スキル、データ、ユースケース 

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