「すみません、ちょっと声が遠いみたいで」
会議のはじめに、これを言われた日。ありませんか。こちらは普通に話しているつもりなのに、相手は身を乗り出して聞いている。言い直す。それだけで会議の温度が少し下がります。
先に言っておくと、その場でマイクを買いに走らなくて大丈夫です。Microsoft と Google の公式ヘルプが最初に案内しているのも、手元でできる3つでした。1つめにいたっては、道具を数センチ動かすだけです。
※この記事は2026年9月時点の情報です。価格・仕様は変わることがあります。
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1つめ マイクの棒が、上がったままになっていないか
ヘッドセットを使っている人は、まずここです。
マイクのついた棒(ブームアーム)を上にはね上げたまましゃべっていませんか。Microsoft は Teams のマイクに関するヘルプで、確認することの1つとして「ヘッドフォンのブームがミュートの位置にないこと (通常は直立しているか、口から離れている)」を挙げています(Microsoft サポート「マイクが Microsoft Teams で機能していない」)。
棒を上げると、ボタンを押さなくてもミュートになる。そういう作りの機種があるということです。
私が毎日使っている Jabra のヘッドセットも、この作りです。棒を上げるだけでミュートになる。手元のボタンを押した覚えがなくても、こうなります。
しかも、メーカーは棒を下ろした状態を前提に性能を出しています。Jabra は Evolve2 40 SE の製品ページで「Evolve2 40 のブームアームを下げると、Open Office 基準のプレミアムマイクに対応します」と書いています(Jabra 公式製品ページ)。下ろして、はじめて本来の性能。そういう設計です。
棒を、口の端まで下ろす。0円、3秒。ここで直る人がいちばん多いと思います。
2つめ 自分の声が届いているかを、自分の画面で見る
「声が遠い」と言われて、いちばんしんどいのはこちらから何も見えないことです。直ったかも分からないまま、大きい声を出し続ける。疲れますよね。
Google Meet のヘルプに、自分で確かめる方法が書いてあります。誰かが話すと、その人の画面(動画タイル)の右上に青い印が光る。そこを見なさい、と(Google Meet ヘルプ「Google Meet の音声に関する問題を解決する」)。
同じヘルプは、話しているのに青い印が点灯しないときの切り分け方まで書いています。
- 自分のタイルの印が光らない … 自分のマイクか、相手のスピーカーの問題
- 相手のタイルの印が光らない … 相手のマイクか、自分のスピーカーの問題
会議中に「私の画面、右上光ってますか」と一言聞く。それだけで、道具を買うべきか、相手に確認してもらうべきかが分かれます。買う前に、原因の見当がつくということです。
3つめ パソコンが、別のマイクでしゃべっている
意外と多いのがこれです。ヘッドセットをつないだのに、パソコンは内蔵マイクを使い続けている。本人はヘッドセットで話しているつもりなのに、声だけ腕1本ぶん離れたところから拾われている。
さっきの Google Meet のヘルプでも、最初のほうに「正しいマイクまたはスピーカーを選択します」とあります。おまけに「モニターを使用する場合は、音声の出力デバイスとして選択されていないことを確認します」とも。外部モニターをつないだ日から急に音がおかしくなった人は、ここです。
Teams にも順番があります。さきほどの Microsoft のヘルプです。アプリの更新、ミュート、物理的なミュート、デバイスの許可。この順で見ていきます。
Windows なら「設定」の「プライバシーとセキュリティ」、その中の「マイク」。Mac なら「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」から「マイク」です(ヘルプの表記は「システム環境設定」。OSのバージョンで名前が変わります)。ここで Teams に許可が入っているかを見ます。
口までの距離を思い出してください。内蔵マイクは画面の上のふち。ヘッドセットのマイクは口元のすぐそば。同じ声でも、届き方が違って当たり前です。
ここまでで直った人は、今日は買い物をしなくていいです。ブラウザを閉じて、次の会議に行ってください。
ここまでやっても遠いと言われる。そのとき何を見て選ぶか
ようやく道具の話です。
私は会社の会議、お客さんとの打ち合わせ、講師をする日と、神経を使う場面ではほぼヘッドセットを着けています。家で動画を見るときもこれ。移動中だけは AirPods です。そのうえで、人に聞かれたときに答えている基準は3つだけです。
マイクが口元まで来る形か
音は距離で小さくなります。だから「高いマイク」より「近いマイク」が効きます。棒の先にマイクがついた形か、せめて口の方向に向けられる形か。ここが最優先です。
ミュートかどうかが、手で分かるか
画面のボタンを探さずに、棒を上げ下げするだけで切り替わる。慣れると戻れません。咳をする、家族が入ってくる。そういうときに視線を外さずに済みます。
有線でいいのか、無線がいるのか
席を立たないなら、まず有線で足ります。電池を気にしなくていいぶん、会議前の確認が1つ減ります。立って話す人は無線。好みではなく働き方で決まります。
同じ「SEのステレオ」でも、値段が約2.4倍ちがっていました
もうひとつ、買う前に見てほしいものがあります。型番です。
2026年9月18日に、価格.comで同じ Evolve2 40 SE の4つの型番を調べてみました。結果はこうです。いちばん安い型番と、いちばん高い型番で、約2.4倍の開きがありました。しかも高いほうも安いほうも、どちらも「SE のステレオ」です。
分かれ目は取扱店舗の数でした。安い2つは8店舗が扱っていて、高い2つは1店舗だけ。取扱いが1店舗まで減った型番は、値段が上がっていることがあります。表に出ている型番のちがいは、末尾の表記(USB-C/A か USB-C か)だけです。
検索して最初に出てきた1つを買うと、ここを踏みます。型番の末尾まで見てください。
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私が毎日使っているのは、この Evolve2 40 SE です。棒を下ろすと口元まで来て、上げるとミュート。上の3つの基準を、そのまま満たしている形です。
ただし、これが唯一の正解ではありません。立って話す仕事なら無線のほうがいいですし、静かな自宅なら口元に来るマイクにするだけでも効きやすいです。比べる余地は残しておいてください。
買わなくていい人と、今日やること
今のままで聞き返されていないなら、買い替えは不要です。「もっといい音で」は、相手には伝わりません。相手が困っていないなら、そのお金は別のところに使ってください。
買う話が出るのは、上の3つを全部やっても「遠い」と言われたときだけ。順番はこうです。
- マイクの棒を、口の端まで下ろす
- 会議中に「私の画面、光ってますか」と聞く
- 会議アプリの設定で、マイクがヘッドセットになっているか見る
- それでも遠ければ、口元に来るマイクを買う
聞き返されない会議は、それだけで少し短く終わります。
次の会議の前に、1つめだけ試してみてください。棒を下ろす。3秒です。
出典
- Microsoft サポート(Teams のマイク)
- Google Meet ヘルプ(音声の問題)
- Jabra 公式 Evolve2 40 SE 製品ページ
- 価格.com(2026年9月18日時点の実測):MS Mono/MS Stereo/UC Stereo/USB-C MS Stereo

