Web会議で「顔が暗いですね」と言われたとき、原因はカメラの性能ではなく、たいてい光がどこから当たっているかです。だから最初にやるべきことは買い物ではありません。0円で直せることが2つあって、それで解決する人がかなりいます。
それでも足りないときに、はじめて機材の話になります。この記事では、無料でできる対処から、実際に半年ほど毎日使っているモニターライトの本音、そして価格.comで本日実測して分かった価格差まで、順番に書きます。
まず、0円で効く2つ
1. 窓を背にしない。正面か斜め前に持ってくる
これがほぼすべてです。窓を背にすると、カメラは明るい背景に露出を合わせるので、顔は自動的に暗くなります。机の向きを90度変えるだけで、照明機材を買う必要がなくなることは珍しくありません。
ただし正面に窓を置くと、今度は天気で明るさが毎回変わります。安定を優先するなら、斜め45度前方から光が入る向きが扱いやすいです。
2. 画面そのものを光源として使う
白い背景のメモ帳アプリを別ウィンドウで開いて、画面の端に置いておく。それだけで顔に光が回ります。0円で、今すぐできます。
欠点も正直に書くと、画面の光は色が青いので、顔色が少し青白く写ります。応急処置としては十分ですが、毎日の商談で使うものではありません。
必要な明るさの目安は「300ルクス」から
どのくらい明るくすればいいのか。ここは感覚ではなく、基準があります。
事務所衛生基準規則では、事務室の作業面の照度について一般的な事務作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上と定められています(令和4年12月1日施行。出典:厚生労働省 山梨労働局「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部が改正されます」)。改正前は150ルクスだったので、基準そのものが倍に引き上げられています。
さらにBenQは、自社のモニターライトの自動調光がアメリカ照明学会(ANSI)の推奨照度である500ルクスに合わせる設計だと説明しています(出典:BenQ公式 ScreenBar Halo 2 製品ページ)。
ここで言いたいのは、300や500という数字を覚えてほしいということではありません。会社の事務所には法令で決まった明るさの下限があるのに、自宅の机には誰もそれを確認していない、という点です。在宅勤務が常態になった机が、法定の水準を下回ったまま何年も使われていることは十分あり得ます。スマートフォンの照度計アプリで測れば1分で分かります。
リングライトとモニターライト、どちらを買うか
光を足すと決めた場合、選択肢はだいたいこの2つに割れます。
| 比較項目 | リングライト | モニターライト |
|---|---|---|
| 主な用途 | 顔を照らす | 手元と机を照らす |
| 会議のときだけ使うか | 会議のときだけ | 作業中ずっと |
| 机の占有 | 三脚やクランプが要る | モニター上部に載るだけ |
| 画面への映り込み | 位置によっては出る | 設計上、抑えられている製品が多い |
| 価格帯の目安 | 数千円から | 1万円台〜3万円台 |
判断はシンプルで、会議のときだけ明るくしたいならリングライト、机で作業している時間そのものを快適にしたいならモニターライトです。会議は1日1時間なのに3万円のライトを買うのは、順番が違います。
半年使ったモニターライトの、正直な立ち位置
私が使っているのはBenQ ScreenBar Halo 2です。モニターの上に引っ掛けるタイプで、非対称の配光によって光が画面に映り込まないように作られています。ランプヘッドは最大24度まで角度を変えられるので、本体を少し自分側に回すと顔にも光が回ります。会議のたびに機材を出す必要がないのは、想像以上に効きます。
ただし、顔を明るくする目的だけで買う機材ではないと思っています。本業はあくまで手元とモニター周辺の照明で、Web会議での顔うつりは副産物です。「毎日の作業灯として使い倒すから元が取れる」という順番でしか、正直おすすめできません。会議が週に数回しかない人には、数千円のクリップライトのほうが合理的です。
価格.comで実測して分かった、同じ製品の4,000円差
本日(2026年8月28日)、価格.comで「BenQ ScreenBar Halo 2」の掲載を確認しました。掲載されていたのは3件で、内訳はこうです。
| 掲載 | 価格 |
|---|---|
| 最安の掲載 | 27,800円 |
| BenQ公式店 | 28,900円 |
| 最高の掲載 | 32,120円 |
出典:価格.com「BenQ ScreenBar Halo 2」検索結果(2026年8月28日確認)。価格は日々変動するため、購入前に各ショップで最新価格をご確認ください。
まったく同じ型番で、上と下の差が4,320円あります。ランチ4回分くらいです。しかも掲載がたった3件しかないので、検索結果の一番上に出た店で決めてしまうと、この差を丸ごと負担する側に回る可能性が3分の1あるということになります。
これは前回、有線ヘッドセットの型番を並べたときにも同じことが起きていました。掲載店舗数が少ない商品ほど、価格が実力から離れて張り付く。ニッチな仕事用の機材を買うときは、必ず複数の店を横に並べる。この一手間の期待値がいちばん高い商品カテゴリだと思います。
買わなくていい人
先に書いておきます。次のどれかに当てはまるなら、買う必要はありません。
- 「顔が暗い」と言われたことがない
- 会議の相手が社内の人だけ
- 窓を斜め前にできる席に、机を動かせる
照明は、困っていない人の環境をさらに良くする類の投資ではありません。効くのは、初対面の商談がある人と、1日の大半をその机で過ごす人だけです。
小さな会社・フリーランスなら、この順で
名古屋で1人〜数人でやっている立場だと、実務的にはこの順番が損をしません。
- 机の向きを変える(0円)。ここで解決するなら、以下は不要です
- 画面を白くする応急処置を覚えておく(0円)。出先や客先でも使えます
- 数千円のクリップライトを1つ。商談だけ明るくしたい人はここで打ち止めでいい
- モニターライト。作業時間そのものを快適にしたい人だけ、最後に検討する
音声側で同じ悩みがある方は、テレワーク用ヘッドセットの有線・無線の選び分けも書いています。映像と音声では、優先すべき順番がかなり違います。
まとめ
- 「顔が暗い」の原因は機材ではなく光の向き。まず机の向きを疑う
- 事務所の作業面は法令で300ルクス以上。自宅の机は誰も確認していない
- 会議のときだけならリングライト、作業時間ごと変えるならモニターライト
- モニターライトは顔うつり単体では割高。作業灯として使い倒す前提でだけ勧められる
- 同じ型番でも掲載店で4,000円以上違う。1店だけ見て決めない
比較の材料として、楽天市場でモニターライトの価格帯を眺めてみるのも手です。数千円の製品から3万円台まで並んでいるので、自分がどの層を必要としているかを先に決めてから絞り込むと、迷う時間が短くて済みます。

