「Gemini 3が、そのうち出るらしい。しかも全部のランキングで1位を取るらしい」
この記事は2025年8月、そんな噂を追いかけて書かれたものです。いま読み返すと、公式発表の3か月も前なのに「1位になる」と言い切っていました。
結論から言うと、Googleが挙げたテストに関しては、噂はおおむね当たりました。でも、当たったかどうかより大事なことが、そのあとの約10か月ではっきりしたんです。
※この記事は2026年9月時点の情報です。AIモデルの世代交代は速いので、最新の状況は各社の公式ページで見てください。
※2026年9月追記:この記事は2025年8月に、発表前の憶測をもとに書いたものです。公式発表の事実にもとづいて全面的に書き直しました。なお内容はGoogleの公式発表と公開情報をまとめたもので、編集部でモデルを動かして確かめたわけではありません。
Gemini 3は、結局いつ出たの?
2025年11月18日。Googleの公式ブログで発表されました。噂が流れてから、3か月後です。
発表されたのは Gemini 3 Pro。いきなり正式版ではなく、まずは「preview(お試し版)」という形でした。
使えるようになった順番が、ちょっとややこしいので分けて書きます。Geminiアプリは全員。Google検索の「AI Mode」は、有料のGoogle AI Pro・Ultraの加入者から。開発者向けにはAI StudioとGemini API、企業向けにはVertex AIから、と公式ブログに書かれています。
ここでGoogleが1つ自慢していることがあります。Geminiを発表初日からGoogle検索に載せたのは、このときが初めて。つまりこれまでは、発表した日に検索へは載せていなかった、ということですね。
もう1つの「Deep Think」という、じっくり考えさせるモードは、このときはまだお預けでした。有料の上位プラン(Google AI Ultra)の加入者向けに、あとから提供すると書かれています。
出典:Google「A new era of intelligence with Gemini 3」(2025年11月18日)
Googleが公表したスコア
では、噂どおり1位だったのか。発表時にGoogleが公表した数字が、こちらです。★を付けたのが、公式ブログで「1位」「最高記録」とはっきり書かれているものです。
| テスト名 | Gemini 3 Pro | Gemini 3 Deep Think |
|---|---|---|
| ★LMArena(人による対戦形式の順位) | 1501 Elo | — |
| Humanity’s Last Exam(道具なし) | 37.5% | 41.0% |
| GPQA Diamond(博士級の理科の問題) | 91.9% | 93.8% |
| ★MathArena Apex(数学) | 23.4% | — |
| MMMU-Pro(画像もふくむ理解) | 81% | — |
| Video-MMMU(動画の理解) | 87.6% | — |
| ★SimpleQA Verified(事実の正確さ) | 72.1% | — |
| ARC-AGI-2(コード実行あり・ARC Prize Verified) | — | 45.1% |
ここが大事なところです。この数字は全部、Google自身が自社の発表で出したものです。第三者が独立に測り直した数字ではありません。そして★が付いていない行は、公式ブログでも「1位」とは書かれていません。だから「全部のランキングで1位」という噂そのままだったわけではないんです。
そして正直に言うと、この表を見て仕事のやり方が変わった人は、たぶんほとんどいないんじゃないかな。
「LMArenaで1501」と言われても、それが月々の請求書や、金曜の残業時間と、どうつながるのか。ここが見えないんですよね。缶コーヒー1本ぶんも生活は変わらない。数字としてはすごいのに、実感がゼロ。ここ、拍子抜けする人が多いと思います。
それから約10か月。今は「3.8」まで来ています
2026年9月の時点で、Google DeepMindのモデル一覧に並んでいるのは、こんな顔ぶれです。
Gemini 3.1 Pro/3.1 Deep Think/3.5 Flash-Lite/3.8 Flashの4つ。さらに「3.5 Pro は近日公開」というバッジも出ています。
出典:Google DeepMind「Gemini」モデル一覧
「3」で大騒ぎしていたのが、約10か月で3.8です。1年たたずに、ここまで来ました。
つまりこの記事がもともと追いかけていた「Gemini 3は1位になるのか」という問いは、答えが出たときにはもう1つ前の世代の話になっていた、ということなんです。
この10か月でいちばんはっきりしたこと
AIのニュース、追いかけるのしんどいですよね。毎週なにか出る。今週のこれは押さえないとまずいのか、それとも見送っていいのか。判断がつかないまま、タブだけ増えていく。
でも今回の10か月が教えてくれたのは、たぶんこれです。発表前の噂は、追いかけても仕事は1ミリも変わらない。
名古屋で10人、20人の会社をやっている人なら、AIの新モデルのニュースは、次の3つだけ見れば足ります。
1.今使っているサービスに、勝手に乗ってくるか
今回のGemini 3は、発表初日からGeminiアプリに入りました。こういうタイプは、こちらが何かする必要がありません。気づいたら中身が新しくなっている。読むだけで、やることはゼロです。
ただし、さっき書いたとおり検索のAI Modeのほうは有料プランの加入者からでした。同じ発表の中でも「勝手に乗ってくるもの」と「お金を払った人から届くもの」が混ざっています。ここは分けて読んだほうがいいです。
2.お金が変わるか
新しいモデルが出たときに本当に効いてくるのは、性能より値段のほうです。今のプランのまま使えるのか、上位プランに入り直す話なのか。Deep Thinkのように「上位プラン限定」と書かれているものは、そこを見ます。
3.今うちが困っていることが、それで消えるか
ここがいちばん大事です。見積書の下書きに毎回30分かかっている。議事録を起こすのに1時間かかっている。その30分、その1時間が減るのか。減らないなら、ランキングで何位だろうと、今日の仕事には関係ありません。
私ならこう決めます。発表の記事はその場では何もせず、3か月おいてから「で、うちの何が楽になった?」とだけ振り返る。それで十分まわります。
まとめ
Gemini 3は2025年11月18日に発表され、Googleの公表値ではいくつかのテストで最高スコアを出しました。Googleが挙げたテストに関しては、噂はおおむね当たっていたことになります。ただしその数字はGoogle自身が出したもので、第三者の検証ではありません。そして約10か月後の今、モデルはもう3.8まで進んでいます。
だから、発表前の「1位になるらしい」を追いかける時間は、いりません。見るのは、①勝手に乗ってくるか ②お金が変わるか ③うちの困りごとが減るか。この3つだけでいいんですよ。
今日は、何もしなくて大丈夫です。焦らずいきましょう。


