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AIのルールを作った会社が次にやること 記録は11%・人の見直しは8%の調査から考える「出口」の2つ

AI×仕事術

「AIの使い方のルールは配った。でも、社員がAIで何を作って、それを誰が見たのかは、正直だれも知らない」。こういう会社、けっこう多いはずです。

ルールを作ったら、次に足すのは「記録」と「見直し」の2つです。用意するのは、表1枚と「誰が見るか」の約束だけ。これならうちでもできそう、と思えるはずです。この記事を読み終わるころには、AIを安心して使うための最初の一歩を決められるはずです。

※この記事は2026年10月時点の情報です。

AIのリスク対策の実施状況。ガイドライン72%、研修54%に対し、記録・保管は11%、定期的または人による見直しは8%(デロイト トーマツ調査より作図)

ルールはあるのに、出てきたものは誰も見ていない

2026年9月29日、デロイト トーマツ グループが「企業の不正リスク調査白書 Japan Fraud Survey 2026-2028」の結果を発表しました。上場・非上場の会社に2026年5月から8月にアンケートを送り、397社が答えた調査です。

AIの部分を抜き出すと、こうなります。

  • 業務の効率化のためにAIを「使っていない」会社は9%だけ
  • AIを使っている会社のうち、ガイドラインを作って知らせている会社は72%、研修などをしている会社は54%
  • 一方で、AIに入れたもの・出てきたものを記録・保管している会社は11%
  • 出てきた結果を、決まった間隔で、または人が見直している会社は8%(調査の言葉では「監査やレビュー」)

デロイトはこれを、リスクへの対応が「利用者本人の注意や判断」に任されている状態だと書いています。

つまり、入口のルールはある。でも出口は本人任せ。ここが空いています。

小さな会社に置き換えると、どういうことか

この発表には、答えた会社の規模の内訳までは載っていません。ただ、社員数名の会社なら、AIの担当者を置く余裕はもっと少ないはずです。

たとえば、こんな場面です。

  • 社員がAIで書いた見積の送り状に、先月の日付が残ったまま送られていた
  • お知らせ文に、実際には決まっていない「来月から料金改定」の一文が入っていた
  • 取引先から「この文章、どこから出てきたの?」と聞かれて、だれも答えられない

どれも、AIを禁止すれば防げる話ではありません。出てきたものを人が1回見ていれば、止められた話です。私も見積やお知らせ文の下書きはAIに任せています。だからこそ、出口のほうが気になります。

足すのは「記録」と「見直し」、この2つだけでいい

記録:社外に出したものだけ、表に1行残す

全部の会話を残す必要はありません。むしろ、入れた文章まで全部残すと、その記録自体が機密のかたまりになります。

おすすめは、AIの下書きを使って社外に出した文書だけ、共有の表に1行残すやり方です。

日付 だれが 何に使ったか 使ったAI 見た人
10/1 Aさん B社への見積の送り状 (社内で決めたAI) 社長

列はこの5つで足ります。あとで「あの文章、AIで作った?」と聞かれたときに、表を見れば答えられる。それで十分です。

見直し:「出す前にだれが見るか」を先に決める

見直しは、全部を社長が見る必要はありません。見るものを絞ります。

  • 金額・日付・相手の名前(見本にした前の文書の数字が、そのまま残ることがあります)
  • 約束ごと(納期・値引き・保証など、会社として決めていない約束が入っていないか)
  • 事実(「業界初」「必ず」のような、裏づけのない言い切り)

この3つだけを、出す人とは別の1人が見る。表の「見た人」の欄はそのためにあります。空欄のまま社外に出ていたら、そこが穴です。

社員の「自分のAI」はどうするか

同じ調査には、もう1つ気になる数字があります。仕事のために社員が個人でAIを使うことについて、承認の流れや教育、トラブル時の対応を「実施していない、わからない」と答えた会社が74%。個人利用について社内ガイドラインを作って知らせている会社は5%でした。

ここで「個人のAIは禁止」と言いたくなる気持ちは分かります。でも、禁止すると使っていても言わなくなります。先にやるのは、「仕事でどのAIを、何に使っているか」を一度聞くことです。

入れていい情報の線引きは、社員に配るAIの入力ルールは紙1枚でいいの記事にまとめています。個人契約のAIの設定は個人契約のChatGPTに会社の情報を入れる前にで書きました。

まとめ:ルールの次は、出口に人を1人置く

AIを使っている会社でも、記録しているのは11%、人が見直しているのは8%。小さな会社なら、社外に出したものだけ表に残す、金額・約束・事実の3つを別の人が見る。この2つから始めれば、出口に人の目が入ります。

逆の話もしておきます。社員がいなくて、AIを使うのも自分ひとりなら、記録の表はいりません。代わりに、AIで作った文書は一晩おいて、翌朝に自分で読み直してから出す。それだけで、日付や金額の取り違えに気づきやすくなります。

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